前世と今~記憶の鎖~

休日

「遊園地に行きましょう!」
「「は??」」

今日は休日
優希の子ども園も休み、哲夫も仕事が休みだ
ゆっくりと過ごしているところへ、美紗子が突拍子の無い話を切り出した
普通、遊園地などに遊びに行く時は、家族で事前に相談するものだろう
1000年前とは違い、移動時間が短いので行こうと思えばすぐに行けるが
何の相談もなしに、当日急に言われたら誰でも目が点になるだろう

「…何で急に遊園地やねん…」
「だって、こんなに天気が良いのに家にいるなんて…勿体ないじゃない!」
「それは…そうだなぁ…」

美紗子の言い分に哲夫が納得し、頷く
その様子を見て、美紗子は遊園地に行けると目を輝かせている
2人のやり取りを呆れながら見つめる3歳児

「やけどな、自分が乗れるアトラクションなんて、限られてるで?」

優希の一言で美紗子と哲夫が固まる
言動が大人っぽいため、たまに忘れかかるが優希は3歳なのである
3歳の子どもが乗れるアトラクションは、限られてくる
絶叫系など、身長制限で絶対に引っかかる
今の絶叫系のアトラクションは、安全性が高まり身長制限もダイブ緩和されている
しかし、それでも優希の身長ではどう頑張っても無理だ

「それにな、暁がおるんやで?
暁からしてみれば、遊園地は疲れるだけや
せめて、もうちょい大きくなって動き回れるようになってからにしたり
自分は別にいつでもえぇから」

優希の言い分に、美紗子も哲夫も頷いた
3歳児に言いくるめられる大人2人
何とも奇妙な光景だ
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