前世と今～記憶の鎖～

(やっぱ時代やな…)

子どもとは思えない…むしろ、老人の言いそうなことを、思い軽くため息をつく
精神だけで言うと、今生きている老人よりも、若干年上か同じくらい…多少年下な感じだろう
なので、気分は機械についていけない老人気分なのだろう

「昔はどうだったんだ？」

優希の驚きようと、ため息で哲夫は昔のパソコン起動時間が気になり尋ねる
優希は古い記憶を呼び起こし、どれだけかかったか思い出す

「ん～…最新のやつは早かったけど…それでも１分くらいかかったんちゃうかなぁ～」
「ほぉ～…そうか…なら随分と進化したもんだな」
「そやね…」

感心している哲夫の横で、優希は少し疲れたような顔をしていた

「ん？疲れたのか？」
「ちょっとね…一気に１０００年分の知識詰め込んだような気分や…」
「…それ、どんな気分なんだ？」
「頭がついて行かずに、若干疲れる気分…」
「そうか…」

１０００年分程の量は無い説明だったが、１０００年前の知識からすると考えられないことが多く、頭が必死に対応しようとフル回転中なのだ

「とにかく、使ってみたらどうだ？」
「そうやね、体で覚えるべきやな」

優希はそう言うと、パソコンの前に座る
操作方法は昔と一緒なので、操作は難なくできる
WordやExcelもついてるが、他にも色々と新しいソフトが入ってるようだった
それを確認するのは後に回し、これからよく使うであろうインターネットに繋いでみる
インターネットのアイコンをダブルクリックして開くと、検索ページが現れた

「へぇ…この辺はあんま変わってへんな…うん、大丈夫使えそうや！」

コードレスになり電池も不要になったマウスを使い、昔のように操作していく
キーボードの配置も変わっていない
ノートパソコンのようなキーボードの配置では、慣れるまで時間がかかりそうだが、これなら大丈夫そうだ