前世と今～記憶の鎖～

「ふぅ…」

夕飯を食べ終わり、食器の片づけを手伝って部屋に戻ってきた優希
時計を見ると、寝る時間まで１時間ほど余裕がある
しかし、慣れていないことをしたせいか、まぶたが重い
この体にパソコンの長時間操作は、大きな負担だったのだろう

「しゃーないなぁ…寝るしかないか…」

チラリとパソコンを見るが、眠気に勝てそうにも無いので、寝ることに決めた
明日も休みなのだから、明日続きをすればいい…そう自分に言い聞かせて

「おやすみぃ～～」

パジャマに着替え、優希は布団に入り眠りにつく…が

「オギャー！！！」
「……」

暁の泣き声で起こされてしまう
普通の音量の泣き声なら、深く眠りに入ってしまえば起きないが…暁の泣き声は普通から少し…いや大分かけ離れている
この音量で寝ていられるのは、哲夫くらいなものだろう

「…仕方ない」

優希は部屋を出て、暁のいるところ…両親の寝室へ向かう

「暁…」

部屋に入ると哲夫は爆睡しており、美紗子が暁をあやしていた
昼寝を優希よりもしていたのに、しかも…この騒音並の泣き声が間近にいるのに哲夫は起きない
優希は、そんな哲夫を…やっぱり呆れた目で見た