前世と今～記憶の鎖～

「！！…な、何これ…」

優希はあまりの出来事に、ただ茫然とするしかなかった
優希の目の前に広がったのは、何もない綺麗な草原
そこに優希は１人突っ立っていた
何をして良いのか分からず…そして、突然のことで頭がついていかず草原をただ眺めている

[キャラクターを作成してください]

ふと、機械的な音声とともに、目の間に文字が浮かびあがる
何もない空気中に文字が浮かび上がったことで、ココは現実ではなくゲームの世界だということが理解できた
文字が消える頃に、何もない草原に木でできた二階建ての家が現れた
優希はキョロキョロと見回すが、それ以外に特に変化は見られない

「ココに入ればいいんだ…」

優希は独り言をつぶやいて、建物に近づく
短い階段を上り、デッキを通り扉の前に立つ
優希は慎重に木の扉を開ける
中も勿論木造で、窓から柔らかい光が差し込んでいて、部屋の中を明るく照らしている

『いらっしゃいませ、ココではまず顔を決めて頂きます』
「顔？」
『はい！このゲームで使える顔はこちらになります』

店員と思われるキャラの案内で、優希はこの部屋に唯一ある椅子に座る
そして、目の前には液晶画面と一体化した小さなテーブル
優希が座ると、液晶画面が明るくなり、顔の輪郭がいくつも表示されていく

『まずは、輪郭をお選びください』
「はい…」

優希は言われるままに、どの輪郭にしようかと液晶を真剣に眺める
細いから太いなど種類は２５０種類あった
そんなに沢山いらないだろう…という思いは口に出さないようにして、数を絞るために『普通』という部分をタッチする
すると、１４５種類が残った…つまり残りの１４５種類は普通の輪郭ではないのだろう
どうでもいいことを考えながら、さらに絞り残った３種類の中から適当に選ぶ
最後に残った３つはそんな目に見えて大きな変化が見つからなかった
多分、単に肌の色具合なのだろう