前世と今~記憶の鎖~
※ココからゲームの中のため優希の事をツバサと表記します

―自宅―

「ん…」

ベッドの上で目を覚ましたツバサ
目をこすりながら、身体を起こす

「ココ何処や?」

キョロキョロと辺りを見回し、まだ覚醒しきっていない頭を回転させる
先ほどの店と同じような雰囲気の内装が広がる部屋
窓から柔らかい光が差し込み、部屋の中は電気をつけなくても明るい
部屋の中は、今ツバサが座っているベッドと姿見の2つのみ

「あぁ、ゲームの中やった…」

ツバサはベッドから降りると、鏡の前に立つ
今はゲームの中だということを思いだし、ツバサの姿になっているかを確認する

「おぉ!ツバサになっとる!
さっき触れたときに、この中に入ったんやな!」

鏡の中には、先ほど作ったキャラクターの姿
ツバサは感動しつつ、先ほどの光を思い出し冷静に納得する

「さて…」

ツバサはもう一度室内を見回す
先ほどと変わることなく、ベッドと姿見のみの部屋
この部屋でする事は、特に無いようだ

「とりあえず、外に出てみるか」

これ以上やることが無いので、外に出ようと決めドアに近寄る
ドアをゆっくり開ける
ギィっという音と共にドアが開いた

「ほぁ~…ココがチュートリアルなんや~」

目の前に広がるのは、広い草原
そして、数人のNPCがいる
ツバサは、テコテコと一番近くにいるNPCに話しかける

「ねぇ」
『あ!新しい住人の方ですね!』
「あ、うん…そうやけど」
『私はシュレと申します!よろしくお願いします♪
私がお教えすることは、装備の事ですわ
まず「B」と空中に書いてください』
「こう?」

シュレの真似をして、ツバサは何もない空中に「B」と書く

ボンッ

「うわ…」

音と共に出てきたのは、リュックだった
色々物がしまえるように、小さいポケットが多くついている
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