前世と今~記憶の鎖~
―ベルウェイ街―

「わぁ~…凄~い…街や~」

ワープした先は、とても綺麗な街の中だった
ツバサは珍しそうにキョロキョロ辺りを見回す
ふと、その視線がある人物に固定される

「あ!優希!!…?あれ?人違いか…スイマセン」
「……」
「あ!優希!…え、違う?スイマセン、人違いです」
「……」

ツバサは、目の前の光景を呆れた目で見つめる
チュートリアルのマップから出てくる人(女性限定)に話しかける男性
これは多分…いや間違いなく父、哲夫だろう

(そや…えぇこと思いついた♪)

ニヤリと笑みを浮かべ、ツバサはその男性に近づく
男性はツバサに気付かず、女性に声をかけまくっている
見方によっては、ナンパにしか見えない

「何やってるん?」
「おぉ!少年!俺は今、娘を探してて大忙しなんだ!」
「(何かキャラ壊れとらんか?)ほぉ~、そら大変やなぁ~」
「そうなんだよ…きっと可愛らしいキャラを作ってるはずなんだが…」

そう言いながら、男性はチュートリアルから出てくる女性に声をかけまくる
どれも全部ハズレなのは言うまでもない事だが…
何せ、今横にいる少年っぽい風貌のキャラこそ優希なのだから
一応キャラの性別としては女だが、その後の装備などなどで少年風仕上げになっている
いわゆる男装と言うべきだろうか
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