前世と今~記憶の鎖~
「ふぅ…何とか間に合ったなぁ…」
病院に着いて、すぐに分娩室に担ぎ込まれた美紗子
優希は部屋の外で、父親…哲哉(てつや)が来るのを待っている
電話をした看護婦さんの話では、すぐ来るらしいが…まだ来ない
(きっと、迷子になってるんやろうなぁ…)
おっとりとした美紗子に負けず劣らず、哲哉もおっとり…のんびりとした人だ
悪く言えば、どちらも「抜けている」…と言われる部類の人間だ
病院内で迷子になっている…という予想を、優希が出来るくらいに
「はぁっ…はぁっ…ゆ、優希ぃ~~」
「ぁ、お父さん」
廊下の遥か向こうから、情けない声が聞こえてきた
そこには、必死に走っている哲哉がいる
優希の元まで走って来ると、ゼェゼェと乱れた息を整えようとしている
「…とりあえず、お父さん。廊下は走ったらアカンで…」
「え…あ…あぁ、そうだな…(あれ?関西弁??)」
優希の喋り方に疑問を持ったが、それより今は美紗子の事が気になる
優希と手を繋ぎ分娩室に入ろうと、ドアに手をかけた
バンッ!!
「グハッ!!」
「おっと…あっぶな~」
哲哉がドアを開けるより早く、分娩室の中の看護婦さんがドアを開けた
慌てて開けた看護婦さんの力が強かったのか、哲哉に思いっきりドアがぶつかった
優希は、上手くよけて無事だった
「あ!ご、ゴメンなさい!!」
看護婦さんは、慌てて蹲る哲哉に駆け寄る
痛みに耐えながら、頷く哲哉…どう見ても大丈夫そうに見えないが…
「ねぇ、看護婦さん、何をそんなに急いでたの?」
出来るだけ、子どもみたいな喋り方になるように気をつけながら尋ねる優希
「そうそう!赤ちゃん生まれたのよ!あなたも、お姉ちゃんね♪」
(なるほど…それを急いで伝えようとドアを開けたら、思いのほか勢い良くドアが開いたわけや)
タイミングの悪い哲哉を哀れに思う優希だった
病院に着いて、すぐに分娩室に担ぎ込まれた美紗子
優希は部屋の外で、父親…哲哉(てつや)が来るのを待っている
電話をした看護婦さんの話では、すぐ来るらしいが…まだ来ない
(きっと、迷子になってるんやろうなぁ…)
おっとりとした美紗子に負けず劣らず、哲哉もおっとり…のんびりとした人だ
悪く言えば、どちらも「抜けている」…と言われる部類の人間だ
病院内で迷子になっている…という予想を、優希が出来るくらいに
「はぁっ…はぁっ…ゆ、優希ぃ~~」
「ぁ、お父さん」
廊下の遥か向こうから、情けない声が聞こえてきた
そこには、必死に走っている哲哉がいる
優希の元まで走って来ると、ゼェゼェと乱れた息を整えようとしている
「…とりあえず、お父さん。廊下は走ったらアカンで…」
「え…あ…あぁ、そうだな…(あれ?関西弁??)」
優希の喋り方に疑問を持ったが、それより今は美紗子の事が気になる
優希と手を繋ぎ分娩室に入ろうと、ドアに手をかけた
バンッ!!
「グハッ!!」
「おっと…あっぶな~」
哲哉がドアを開けるより早く、分娩室の中の看護婦さんがドアを開けた
慌てて開けた看護婦さんの力が強かったのか、哲哉に思いっきりドアがぶつかった
優希は、上手くよけて無事だった
「あ!ご、ゴメンなさい!!」
看護婦さんは、慌てて蹲る哲哉に駆け寄る
痛みに耐えながら、頷く哲哉…どう見ても大丈夫そうに見えないが…
「ねぇ、看護婦さん、何をそんなに急いでたの?」
出来るだけ、子どもみたいな喋り方になるように気をつけながら尋ねる優希
「そうそう!赤ちゃん生まれたのよ!あなたも、お姉ちゃんね♪」
(なるほど…それを急いで伝えようとドアを開けたら、思いのほか勢い良くドアが開いたわけや)
タイミングの悪い哲哉を哀れに思う優希だった