前世と今~記憶の鎖~
―翌日―

「ふぁ~…ぉ、熱も下がって絶好調やな!」

優希はスッキリ爽快に目を覚ました
昨日のダルさは嘘のように消え、体調はとても良い
今日は子ども園に行けそうだ…まぁ、特別行きたいわけでも無いのだが…
着替えを済ませ、リビングへ

「おはよ~」
「優希ちゃん!大変よ!暁君が!!」
「!?」

大慌ての美紗子が優希の両肩をガッと掴み、勢いよく揺さぶる
力ではどうにもこうにも出来ないので、されるがまま揺さぶられる…と気分が悪くなってきて、優希は短い腕で美紗子の頭にチョップを繰り出した
美紗子は、ハッと気付き揺さぶるのをやめた

「おぇ…気持ちわりぃ…」

解放された優希は床に手を付き、吐き気と戦う
それに慌てて背中をさする美紗子

「ご、ごめんね、慌てて…」
「ぅ…ゎ…分かってるけど…」

少しマシになったが、優希の顔には疲れの色が出ている
優希は美紗子に向き直り、説明を聞き出すために口を開いた

「で…何があったん?」
「そうなのよ!大変!暁君に優希ちゃんの風邪が移っちゃったのよ!!!」
「……」

大慌ての美紗子に冷たい視線を無言で飛ばす優希
優希自身も6ヶ月くらいの時に風邪をひいた覚えはある…確かあの時も美紗子は大慌てをし大変だったことを思い出す
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