前世と今~記憶の鎖~
優希の災難
「はぁ…」
子ども園生活にも慣れてくる5月
優希は教室の窓付近に座り、元気に走り回るクラスメイトをボーっと眺める
その表情は、とても疲れているように見える
「ふぁ~…ねむ…」
優希は大きなあくびを一つし、目をゴシゴシこする
まだ時間としては10時だ
お昼寝の時間まで3時間ほどある
「優希ちゃん…どーしたの?」
「あぁ、恭ちゃん…」
日当たりの良い場所で、眠気と格闘している優希のもとに、恭ちゃんがやってきた
恭ちゃんは優希の横にストンと座り、少し心配そうに優希を見る
「大丈夫、ちょっと眠いだけやから」
「そうなの?夜ちゃんと眠れなかったの?」
「うん…暁の夜泣きが…」
「??」
「(3歳児に夜泣き言うても分からんよな…)暁が、夜中に大きな声で騒いで寝られへんねん…」
「へぇ~~…そうなんだ?」
多分、ほとんど理解していないのだろうが、恭ちゃんは分かった風に言う
優希はここ数日、暁の夜泣きに悩まされていた
暁と同じ部屋で寝ているはずの、哲夫は変わらず快眠できているようだが…
美紗子も暁の夜泣きで起きる回数は、優希より少なく…少し寝不足気味だが、優希ほど寝不足では無い
(何で、違う部屋の自分が毎回毎回起きるんやろか…)
暁の泣き声は、騒音並に煩い
なので、違う部屋にいようとも起きてしまうのは、仕方ないのかもしれない
ただ、優希が納得いかないのは
同じ部屋の両親よりも、優希の方が起きる回数が多い事…
時に、暁の夜泣きを鎮めるのが優希だけであること…
子ども園生活にも慣れてくる5月
優希は教室の窓付近に座り、元気に走り回るクラスメイトをボーっと眺める
その表情は、とても疲れているように見える
「ふぁ~…ねむ…」
優希は大きなあくびを一つし、目をゴシゴシこする
まだ時間としては10時だ
お昼寝の時間まで3時間ほどある
「優希ちゃん…どーしたの?」
「あぁ、恭ちゃん…」
日当たりの良い場所で、眠気と格闘している優希のもとに、恭ちゃんがやってきた
恭ちゃんは優希の横にストンと座り、少し心配そうに優希を見る
「大丈夫、ちょっと眠いだけやから」
「そうなの?夜ちゃんと眠れなかったの?」
「うん…暁の夜泣きが…」
「??」
「(3歳児に夜泣き言うても分からんよな…)暁が、夜中に大きな声で騒いで寝られへんねん…」
「へぇ~~…そうなんだ?」
多分、ほとんど理解していないのだろうが、恭ちゃんは分かった風に言う
優希はここ数日、暁の夜泣きに悩まされていた
暁と同じ部屋で寝ているはずの、哲夫は変わらず快眠できているようだが…
美紗子も暁の夜泣きで起きる回数は、優希より少なく…少し寝不足気味だが、優希ほど寝不足では無い
(何で、違う部屋の自分が毎回毎回起きるんやろか…)
暁の泣き声は、騒音並に煩い
なので、違う部屋にいようとも起きてしまうのは、仕方ないのかもしれない
ただ、優希が納得いかないのは
同じ部屋の両親よりも、優希の方が起きる回数が多い事…
時に、暁の夜泣きを鎮めるのが優希だけであること…