恋愛不向きの彼の愛し方
「うわぁ、ありがとうございます。私は、やや甘めでお願いします。怜香は?」


イケメンに弱い杏里は、嬉しそうな顔で蒼空さんにオーダーしていた。


「あ、じゃあ、私も。程よい甘さで」


ニコリと笑みを浮かべた蒼空さんがシェーカーを振る姿は、杏里でなくてもうっとりしてしまう。


杏里の前には、濁ってはいるが青と緑を混ぜたような色のカクテルが、私の前には、同じく濁っているが茶色のカクテルが置かれた。


見た目可愛い杏里と私の違いなのかなと少しだけがっかりしていると、

「ブルーライチとアレキサンダーでございます」

と、一つ一つ手を差し出して説明してくれた。


「へぇ、蒼空さんさすがですね」


哲也さんの言葉に私も杏里も小首を傾げた。


「ただの女好きだろ」


海斗さんは、気に入らないのかブスッとした顔で、

「ドライマティーニ」

とオーダーをした。


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