恋愛不向きの彼の愛し方
パチッとウインクした蒼空さんを本当に綺麗な顔だと眺めていたのに、横から、

「俺は蒼空みたいな恋愛はゴメンだ。ヘドがでる」

と海斗さんは蒼空さんを睨み付けていた。


「ちょっと、それは言い過ぎじゃない?」


おっとりした私より断然スピーディーな杏里がすかさず口を挟むと、

「じゃあ、番犬は怜香ちゃんとヤれる?」

とニヤリと口角を上げた海斗さんに目を丸くした。


「え、……それって蒼空さんってゲイってこと!?」


衝撃的なことですっかり酔いの冷めた杏里は、蒼空さんに伺うような視線を向けた。


「んー、それはちょっと違うかな。基本的に女の子で、女の子が途切れた時に男の子を味見している感じ?」


「えー、それって愛はそこに存在しないってことですよね?」


何やら杏里と蒼空さんが話す内容が怪しげなモノにかわり、私は脳内変換出来ず、口をあんぐりとさせていた。


そのせいですぐにアレキサンダーは飲み干してしまい、飲みやすさからおかわりをオーダーした。
< 17 / 31 >

この作品をシェア

pagetop