半分の心臓
「・・・。」
 
唯一褒められる点と言えば
生徒のスカートを短くすると
非常に全体がダサくなるということだ。
 
普通の美的感覚の子ならスカートを短くしたりはしないだろう。
保護者視点からすれば安心かもしれない。
 
でも、ボクにはどうでもいい話。
 
何せ昔ながらの学ランから変化せずだから。
 
いや、これは入学の挨拶にしてはひどい。
 
制服をかわいくするという方向転換を取れば生徒は来るのだろうか。
 
経営者として親御さんに説明するのは当然なのかもしれないが
あなたの経営政略にはこちらは興味がない。
 
むしろ俺たちが来たくないのは落ちた奴が行く高校だからだ。
 
望んだ奴はそりゃうれしいだろうが。  
 
保護者用のご立派な演説の後、

次の挨拶人は校長。
直接、ボクらの高校を取り仕切る人だ。
 
線目に、普通の体系。
普通の背広。
顔には際立った特徴がない。
頭が肌一色なのが特徴みたいだけど
違和感を感じることもなく、いたって普通。
 
舞台の中央にいるから視線は行くものの標準すぎてどこか頼りない。
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