半分の心臓
カバンはポケットが2つある手さげの黒い通学バックで、中にはティッシュや絆創膏、のりにはさみ、ドライバーに眼鏡など学校生活の必需品が入っている。
 
 
「ええ!?ダメだよ。駄目。」

 

すかさず、完全否定。
ボクの学校必需品完全武装を。
 

「なんでよ?」
 

「ダメ!」
 

だから理由を言えよ。理由を。
 

「まだ、使えるからいい。」

  
まだまだ穴が開く様子もなく、

丈夫で、何より、機能性があるバックはお気に入りだ。
 
難点は、見た目はぼろぼろで教科書を詰め込むと
ボストンバックのように膨らみ、
見るからに重そうなくらいで
本人としてはそんなに気にすることでもない。
 
「ダメだって。誰もそんなカバン使ってないでしょ?」
 

他の高校生は誰もそんなカバンを使っていなく、
親として少々恥ずかしいのだろうか。
< 36 / 40 >

この作品をシェア

pagetop