半分の心臓
それとも、息子に恥ずかしい思いをさせたくないと言う親心だろうか。
 

どちらにしても、
 

「いらない。まだ使えるし。」
 

その上、新しく買いに行くと言う行為が面倒そう。

まだゴロゴロしていたい。
 

だが、母さんは
 

「後で、買いに行くよ。」

 

と言って、他の話をしはじめた。
 

スイッチがの切れている掃除機のモーター音が
ボクの声を遮るように邪魔をしているとしか考えられない。
 

母は、ボクの曲がった眉を見ることもなく、

くるりと入って来た方を向き、
そのまま部屋を出て行ってしまった。
 
「・・・・面倒。」
 
ガチャ。
 
戻ってきた。
 

「何?」
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