半分の心臓
「後で、玲美さんと佐智乃ちゃん達が来るから。」
「は?」
予想していない事態。佐智乃がやってくる。
実に、1年半ぶりの再会だ。
佐智乃がやってくる報告を
聞いた後、
呆然と部屋の中央を眺めながら、
最後に聞いた佐智乃の声を思い出していた。
高校の合格発表の日、
一番最初に電話を掛けてきたのは佐智乃だった。
落ち込むボクには電話を取らないっていう選択肢もあったはずのに
腕が勝手に受話器をとり、口が形式ばった対応をする。
「もしもし、水無です。」
「鏡沢ですけど、あきと君?どうだった?」
佐智乃の声だ。
佐智乃の電話。
ずっと、我慢して我慢して、聞きたくても聞けなかった優しい声。
ボクからは掛けたくても絶対に掛けようとしなかった電話。
1年ぶりにする会話。
情けない話だけど、嬉しくて少しべそ掻いてた。
「おめでとう。受かったんだろ?」
答えを
聞いてもいないくせに、
そんな言葉を伝えたくて仕方がなかった。
「は?」
予想していない事態。佐智乃がやってくる。
実に、1年半ぶりの再会だ。
佐智乃がやってくる報告を
聞いた後、
呆然と部屋の中央を眺めながら、
最後に聞いた佐智乃の声を思い出していた。
高校の合格発表の日、
一番最初に電話を掛けてきたのは佐智乃だった。
落ち込むボクには電話を取らないっていう選択肢もあったはずのに
腕が勝手に受話器をとり、口が形式ばった対応をする。
「もしもし、水無です。」
「鏡沢ですけど、あきと君?どうだった?」
佐智乃の声だ。
佐智乃の電話。
ずっと、我慢して我慢して、聞きたくても聞けなかった優しい声。
ボクからは掛けたくても絶対に掛けようとしなかった電話。
1年ぶりにする会話。
情けない話だけど、嬉しくて少しべそ掻いてた。
「おめでとう。受かったんだろ?」
答えを
聞いてもいないくせに、
そんな言葉を伝えたくて仕方がなかった。