半分の心臓
だからといって捨てるのはもったいない。
 
「また、弟君の朝食だなコレ」
 
と、いう結論で落ち着いた。
 
3つ歳の離れた弟ふみきは、
背を伸ばしたいらしく
牛乳をこの上なく愛している
牛乳ラマン。

そんな弟に
母の準備した生ぬるい牛乳を
与えようと言うやさしい兄貴。
 
食べ物を分け与える兄弟愛?
 
ん~にゃ、適材適所。
そんな感じだ。
 
パンを食べ終わっても
正直まだ、腹は満たされず
ハイエナは餌を求めて
冷蔵庫から
昨日の残り物をあさりだす。
 
皿を冷蔵庫から取り出し
湯飲みにお茶をくみ、電子レンジを働かせると
我がメインディッシュの出来上がり。
 
朝食が済めば
テレビ画面の前で、
ずるずると番茶でティータイム。
 
優雅に茶をすすりながら
テレビの向こうにいるやたらと騒がしいアナウンサーにつぶやく健全な男子高校生の朝。
 
おせんべいがあればおばちゃんだ。
 
10代のボクから見ると
四捨五入で30にもなるであろう
女性アナウンサーは母親にかぶり
ややツッコミが激しくなる。
「あいつら売れない芸人か?」
 
そんな独り言は彼女に届くはずもなく
ただ無常に冷めた部屋に響く。
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