墜ちた羽根
くすりと悪人のような笑みを浮かべるハルヤ。
やっぱり奴の息子だと思った。俺もだけど。
別に傷ついて遊んでいる訳じゃない。
1日でも早く死ぬ行為を繰り返していただけだ。

「それじゃ、また明日。血塗れの鳥さん」

ハルヤが初めて俺を“オウヤ”や“兄さん”と呼ばなかった。
ブラッドウィングと呼ぶ奴ばかりで、
“血塗れの鳥”とは呼ばれた事がなかった。
血塗れの鳥。確かに今の俺にはぴったりだ、と苦笑した。

「あ、そうだ。僕が惚れた人の名前だけ教えておくよ。“唐戸涼那”さん、だよ」
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