墜ちた羽根
投げ捨てたいけれど、その羽根があまりにも綺麗過ぎて
この世のものでないと思ったから捨てられない。

“私に婚約者が今さっき出来ました”
とおばあちゃん達に伝えたら、どんな顔をするのだろう。
どんな人かと聞かれたら困るけれど、
ちゃんと祝福してくれるだろうか?
お父さんはきっと反対しそうだなと、
勝手に想像してしまう。大好きな人との結婚に反対されたら哀しむけれど、
この場合はとても嬉しい。

どうして、こうなってしまったのだろうか。
何度も何度も心の中で問い掛けた。
答えは絶対に見付かる訳がないと分かりきっているのに。
< 26 / 117 >

この作品をシェア

pagetop