墜ちた羽根
「無駄だよ…アオ」

アオと呼ばれた狼が行く先を阻んだ。
アオってあの男の子と同じ名前だ。
ハルヤ君は“動いたら命はないから”と冷たい口調で言った。
…あれ?この冷たい口調誰かに似ている。
あ、オウヤ君だ。オウヤ君に似ているんだ。
口調だけじゃなくて何となく姿もそっくりのような……?

そういえば彼は一体何処に?
消えた後、姿を見ていない。
色々な事でいっぱいいっぱいだったから、
すっかり彼の事を忘れてしまっていた。

「オウヤ君は何処?あなたが仕掛けたんでしょ?この事は」
「オウヤ…?ああ、ブラッドウィングの事?君より早く此処に来たよ」
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