墜ちた羽根
6.血ノ鳥-過去-
あの月の綺麗な夜、全てが始まった。

「悪いけど、俺はあんたに生きていてほしくないんだ」

場所はあの男の部屋。
関係は認めたくはないが親子。
逃げたければ逃げれば良いさ。
俺は何処までもあんたを追いかけるから。

「オウヤはその為に此処に来たのか?」
「それ以外に何がある?あんたは自分の女を殺したんだ。
俺らだって何時かは殺そうとするんだろ?」

憎くて憎くてたまらない。
生まれて間もなくして母さんは死んだ。
毒を飲まされて殺されたと知ったのは先日の事。
ハルヤが苛められている所を助けた時。
ガキ大将のような存在の男に、
“お前らの父親は人殺し”と言われた。
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