-astral-星に捧ぐ少女


「早く済ませろ」


私は頷いて湖へと足を入れる。


風に揺れる木々の音、鳥の囀り……


私は生きてる……


服を脱ぎ捨て、今度は体ごと湖へと浸かる。


「…あぁ…二人共元気でしょうか……」



二人は私を迎えに来るという約束を残して会いに来なくなった。


白銀のアストラルに選ばれた私をこの塔から出す為に頑張ってくれているに違いない。


そう思えば……頑張れる。







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