-astral-星に捧ぐ少女


「その口ぶり…何か心当たりでもあるのか?…エイゼ」


ジードの探るような目にエイゼは苦笑いを浮かべた。


「…君には隠し事が出来ないね、ジード」


そう言ってエイゼは困ったように笑う。


「エイゼ様…教えて下さい!!俺…俺はっ…」


今まで黙っていたユーシスが声を荒げてエイゼへと詰め寄る。


「…俺はっ……フィリアを見つけたあの時から、俺が守らなきゃって…そう思って!!」


ユーシスは床に膝をついて拳を握りしめる。


「でも…守れなかった!!フィリアの心が悲鳴上げてんのに気づかなかった!!気にかけてやれなかったんだ!!くそっ……」


肩を震わせ俯くユーシスは泣いているようだった。


「…ユーシス……。君が思い悩む必要は無いんだ…。悪かったね…心優しい君には少し重荷だったかもしれない…」


エイゼはユーシスの肩に手を置く。


「違います!!俺はフィリアを重荷だなんて思ってない!!自分が…情けないだけなんだ……」


また俯くユーシスをダンテは鼻で笑った。


「ハッ…笑わせるなよ。歎いてる場合じゃねぇだろ!!歎いてたって過去は変わらねぇんだよ!!グズグズしてんじゃねぇよ!!」


ダンテはイライラしているのか、近くの壁を殴った。








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