-astral-星に捧ぐ少女
フィリア・ガーラントがこの世界に生を受けた瞬間から、彼女の悲劇は始まっていた。
彼女が生まれた晩の闇空には、世界で一番大きく、強く輝く星…白銀のアストラルが彼女の誕生を祝うように輝いていたという。
時のアストラルに選ばれし時の巫女は彼女の力と未来についてを長へと告げる。
長はそのアストラルと未来を知り酷く彼女の存在を恐れた。
白銀のアストラルは世界を救うとされた力だが、その反対に白銀のアストラルの誕生はこれから起こる災厄の前触れとしてその地に根付いていたのだ。
巫女はその地の長に告げる。その娘を外へ出してはならない、その力と、その力を宿す彼女を誰の目にも触れさせる事無く幽閉する事を進めた。
長は尋ねる。
「その力は世界をも揺るがす力なのか」と…
そして巫女は答える。
「世界…否、宇宙をも揺るがす驚異的な力であろう…。決して目覚めさせてはならん」…そう告げたのだ。
島の長はまだ赤子の彼女と母親を残して暗く湿った古塔へと幽閉した。
彼女が6つの時、母親はこの塔へと出入りを禁じられた。
両親が会う事が許されたのは三月に一度だけ。
彼女はひたすら塔の中で小さな窓から巡る季節をどこか他人事のように眺めていた。
自分は生きてるのだろうか…
この世界とは切り離された空間にいる自分には世界がどうなろうと関係無いとさえ思っていたのだ。