-astral-星に捧ぐ少女
何でも屋でもあるダンテに両親の死を知らされる。
両親を待ち続けた彼女にとって、それは心の支えを失ったも同然だった。
そして、彼女はただ悲しくて残酷な場所、塔から出て一人になれる場所へと羽ばたいた。
それが彼女が育ったラシーズ島から遠く離れたロードシア大陸のアフュネの森。
そこでユーシスが彼女を見つけた。
「…これが彼女が辿って来た道だよ。私は見る事しか出来ない、だから彼女がその時どう心を傷めていたのかもわからない…けれどね、彼女が本当の意味で世界に取り残されてしまったという事はわかるんだ…」
長いフィリアの生い立ちを語ったエイゼは深く息を吐いた。
「それが…フィリアさんの抱える闇の一つなんだね」
カースは思い悩んだ顔でそう呟いた。
「こいつの両親も立派なもんだぜ…命をかけてこいつを助けたんだ」
ダンテはそっぽを向いたままそう口にする。
「本当の家族ってのはそういうもんなんだろうな…何を犠牲にしたって構わないと思える…」
「そうだねジード。
彼女は愛されてた。でも愛に触れる時間を多くは与えられなかった」
…残酷な世界……
彼女にとって世界とは残酷でしかない…