-astral-星に捧ぐ少女


「…何だよ…それ……」


ユーシスは俯いたままポツリと呟く。


皆の視線がユーシスに集まった。


「白銀のアストラルに選ばれたってだけでこんな…」


ユーシスは血が滲むほどに拳を握りしめる。


「代わってやれるなら代わってやりたい。俺が傷付いてフィリアが助かるなら何度だって傷付いてやるのに!!俺に…俺に出来る事って何なんだよ!!」


感情的に叫ぶユーシスにエイゼは笑顔を浮かべる。


「…彼女がここに来たのは君に出会う為だったんじゃないかな、ユーシス」


エイゼの言葉にユーシスは顔を上げた。


「彼女の為に心を痛める事が出来るユーシスなら彼女の傷だらけの心も癒せるだろうから…」




エイゼはユーシスの肩に手を置いた。










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