-astral-星に捧ぐ少女
「魔物…ですか……」
エイゼ様は冷静にそう呟いた。
何かが崩れた音で自分の意識が少しだけはっきりする。
あそこにいるのは…
「エイゼ…様……?」
それと…あの異形のモノは一体なんでしょうか…
ぶれる視界でその異形のモノを見つめる。
あれは…
「魔物よ。見るのは初めてかしら?」
女性は私に尋ねる。
魔物…あの人を喰らうという魔物がどうして……
「そうか…。どうやら君のアストラルはとっても便利な力なようだね…」
エイゼ様は苦笑いを浮かべ、剣を抜いた。
「へぇ…教皇様も剣を構えるのね。神に願ってるだけかと思ってたわ」
女性は嫌味を込めてエイゼ様を睨みつける。
「生憎…アストラルだけに自分の身を任せるほど堕ちてはいないからね。自分の命は自分で守るよ」
エイゼ様は剣を優美に振るい、魔物を薙ぎ倒す。
「グギャギャーッ!!」
次々に倒れる魔物に女性の顔はどんどん焦りを隠せなくなる。