-astral-星に捧ぐ少女
「落ち着け!!
ゆっくり深呼吸して力を少しずつ収めていけ!!」
男は俺にゆっくりと近付いた。
「っ…来るな!!!」
―ブワッ
「チッ…厄介だな…」
さらに強まる風から俺は距離をとった。
来るな…来るなっ…
あぁ…俺はどうなるんだ…?
どうしたらいいんだよ…
「…大丈夫だ」
不安で押し潰されかけていた俺に男は笑みを浮かべる。
―ガツンッ
剣を地面に突き刺し、身を守る鎧さえ脱ぎ捨て俺に近付いてくる。
「…ぁ…あ、危ねぇから来るな!!!」
今の俺は何もかもを壊してしまいそうで…
―ズサッ
俺は後ずさり、男から距離を取る。
「…俺にはお前を傷つける物は何も持って無い。ただお前と話しがしたい」
「話し……?」
一歩、また一歩と近付いてくる俺から距離をとりながら俺は答える。
コイツはおかしい。
今の俺には人の命を簡単に奪う事が出来る力があると核心していた。
だからこそ……
「頼むから…もう来るな!!」
俺に人を殺させないでくれよ…
頼むから……