-astral-星に捧ぐ少女
「…白銀のアストラル…」
アイリスがポツリと呟いた。私は顔を上げる。
「あなたはその力を恨んだ事はない?」
この力を…恨む………
私は両手を見つめる。
この力が無ければ……
きっと両親を失う事はなかった。
この力が無ければ……
普通の人が望む幸せを手に入れる事が出来た。
「この力が無ければ…大切なモノを失う事はなかった…。この力が無ければ…幸せになれました…」
絶望…私には今それしかない。
失ったモノが多すぎた…
「普通で在りたかった…」
地位も名声も何もいらない…
両親と笑い合い、兄弟と笑い合い……
ただ普通の幸せが欲しかった……