-astral-星に捧ぐ少女


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「長、連れて参りました」


アイリスは膝を折り、長に平伏す。


部屋は暗く、長の顔も、隣にいるアイリスの顔すら見えない。


「ご苦労、控えておれ」


長と呼ばれた人がゆっくりと私へと近づいて来る気配がする。


ゴクリと唾を飲み込む。


「…フィリア・ガーラントか」


「!!」


私の両親を殺した人…
直接手を汚していなくても、この人が…


怒りと恐怖が一気に私を襲う。


手足がガタガタと震え出した。


「…お前を閉じ込めるのはもう止めた」


長は長い白髪に金の瞳を持っていた。歳は50くらいだろうか。


「先日、ある男が私に面白い話をしていったのだが…」


ニタリと笑う長に背筋が氷付く。


「ロストと言ったか…お前の力には光による再生の力があるとか…」


再生の力…?


ハッとあの時、雷を相殺した後、私の力が自然を再生した事を思い出す。


「………………」

「無言は肯定という事かね?そんな素晴らしい力を私はずっと閉じ込めていたとは…」


長が私へと手を伸ばし…


―グイッ


「ゃっ……!!」


髪を強引に引っ張られる。

恐いっ…!!
何をするつもりなのですか!?


「お前は私の物だ。
私の…くっ…ふふ…ははははっ!!」


奇怪に笑う長に私は怯える事しかできなかった。










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