-astral-星に捧ぐ少女


―キイィィ…


開かれた扉から凍てつくような冷気が吹き付ける。


そこには中央に太い氷の柱が立っていた。


「さあ、来い」

「っ!!」


引っ張られるまま柱に押さえ付けられる。


「天泣のアストラル」


ヒユキがそう呟いた瞬間ー…


―ボコボコッ…


背中に当たる氷が溶け、私の体を飲み込む。


「ぃ、嫌っ!!!」


私は手を伸ばした。


体が沈んでいく…
このままでは…………


助けを求めるように周りを見渡せば、俯いているアイリスがいた。


「アイリ…ス…っ」

「っ…ごめんなさい…」


アイリスは小さな声でそう言った。


…あぁ…もう………


希望が閉ざされた。



涙が頬を伝う。


…ユーシス……
最後にあなたに……会いたかった……


私の体は完全に氷の中へと閉じ込められた。











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