-astral-星に捧ぐ少女


「わらわは時の巫女、ユラ。フィリアを救いたい、わらわとおぬし等の利害は一致しておる」


「!!」


"フィリア"という名前に俺達三人は目を見開く。


「…フィリアを…知ってるのか……?」


問えばユラと呼ばれた女性は静かに頷いた。


「罠に決まってんだろ!!
そんな都合の良い話…」


殺気を放つダンテをカースは止めた。


「…彼女は嘘をついていないね」

「根拠があんのかよ?」


カースにダンテが食いかかる。


あぁ…そうか……


俺は納得していた。
理由はこいつのアストラルだ…


「ほう…読心のアストラル…か…?」


俺やカースが何かを言うより先に、女性がそう答えた。


「そこまで見えるんですね?」


カースは驚いたように尋ねる。


「…まぁのう」


女性は優雅に微笑み、城を指差す。


「わらわはフィリアの居場所を知っている。…が、そこまで行く力が無くてのう…わらわを守ってほしい」


「あぁ!?」


ダンテは女性を睨みつける。


「よろこんで」


カースは即答した。


「…今はこの人を信じるしかないんだ、それでいいな?」


俺がダンテに言い聞かせるように言うと、ダンテは渋々だが頷いたのだった。










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