-astral-星に捧ぐ少女
「良く来おったな、クロードの犬共」
突然聞こえた声に俺達は振り返る。
そこには……
「…長…ヨシヒラ」
女性が突然現れた男をそう呼んだ。
「んだぁ?さっそく親玉の登場か?」
ダンテの瞳が鋭く細められる。
「ご老体にムチを打つのは申し訳ないけれど…………引けないよね」
黒い笑顔を浮かべるカース。
相変わらず恐い…
でもそれだけ…………
俺達にとって彼女の事は譲れない。
「フィリアを返せ」
俺はなるべく冷静にそう告げた。
「思い上がるなよ、犬が。たった三人で何が出来るというのだ」
ヨシヒラの言葉に俺達は笑う。
「その言葉…そのままお前に返す!!」
俺はヨシヒラに斬りかかる。それを合図にダンテとカースも武器を構えた。
―ガキンッ
長の前に現れた黒ずくめの人間に剣を止められる。
「!!」
突然現れた人間から慌てて距離を取る。
その手には刀が握られていた。
「…出来るな?アイリス」
ヨシヒラの言葉にそいつは頷いた。
待て………?
アイリス………だと…?
信じられない思いで黒ずくめの人間を見る。
そいつはゆっくりと顔を出した。
「!!!!」
そこにいたのは紛れも無い、アイリスだった。