-astral-星に捧ぐ少女


「ヒユキ」


名前を呼んだ瞬間、スッと見覚えのある女性が現れる。


「お前は…」


城を襲った氷の女だ…


「あの年増が」


ダンテも覚えていたのか、女性に目を向ける。


「年齢?あたしはまだ25よ!!」


ヒユキと呼ばれた女性は眉間にシワを寄せる。


「失礼しちゃうわ!
長、喜んで殺しますわ」


ヒユキは不気味な笑みを浮かべた。


「どうやら、アイリスのかけた暗示が思いの外強かったようです、心は支配下にありますわ」


「これは…良い置き土産を置いていったものだ」


ヨシヒラは不気味に笑う。


何の話をしている…?



「…おぬし等、フィリアの力を自ら操ろうというのだな?」


突然聞こえた声に全員が振り返る。


「巫女様…」


その場にいた全員が頭を垂れた。


「許さぬぞ、ヨシヒラ!!
おぬしに未来なんぞ無い」


「それは得意の先見か、ユラよ」


ヨシヒラの言葉に巫女のユラは笑う。


「わらわの望む未来だ」


そして巫女は手を上げる。


「ヨシヒラを討て!!!
そなた等の未来はその手で切り開くのだ!!」


その声に「おー!!!」と声があがる。


「俺達がいるのも忘れるなよ」


俺達は剣を構えてヨシヒラと対峙する。











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