-astral-星に捧ぐ少女


―フィリアは一人じゃない


「私は一人です…」


今も…この空間にたった一人。あの世界に戻っても…

―不安にさせてごめんな。もう…お前の手を離しはしない


「私に構わないで下さい!!私は…もう何かに絶望したくないのです…」


希望を抱くのにも、その度に絶望するのにももう疲れました…


―…約束する。フィリアの傍にいて、フィリアの事を守る。


「…どうしてそこまで…」


私の事なんかほっておけばいいではないですか…


どうして……


―…分からない。でも…フィリアの事を考えていると胸が締め付けられて切なくて、フィリアが笑ってると、自然に笑ってる自分がいて、隣にいると……


―もっと触れたくなる



…え……?
それは…どういう…


―傍にいてほしい。俺に…傍にいさせてほしい…


―一生守らせてくれ



………ユーシス……



「私…あなを傷付けたくない。私の存在があなた達を傷つけてしまう…」


この力が…なければ…


―フィリアの力も、フィリアの一部だ…


―俺はフィリアの全てが大事なんだ




私の…全て……
力も含めて…全部…?



―戻って来い、フィリア。何があっても、俺はフィリアの味方だ


―ポタンッ


涙が流れた。
悲しい涙ではなくて…


心が満たされていく事の喜び……


「……りたい…」


笑顔が…温かさがあるあの場所へ……


「…帰りたい…」


あなたがいる場所へ…








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