-astral-星に捧ぐ少女


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しばらくして落ち着いた私は、ユーシスから眠っていた間の話を聞いた。


「またこの力のせいで…」
と言う私に、ユーシスは優しく首を振り、「人の貪欲さのせいだ」と言って力を否定しようとした事を否定してくれた。


「…フィリアさん良かった、でも…ごめんね…」


謝るカースさんに私は首を横に振る。


私はカースさんの腕の中で眠る人物に目を向けた。


「…ユラ…さん……」


静まり返ったこの空間で、すでに絶命した彼女の名前を呼ぶ。


「彼女が、二つ目のアストラルを使った瞬間、闇が膨れ上がったんだ」


それは、全てを飲み込む虚無の闇。


それは長や周りの兵も巻き込み、その存在を消滅させたのだと。


「…虚無のアストラル。その名の通り、アイツ等の存在自体が消えさりやがった」


ダンテもカースも、その表情は暗かった。


「…な…嘘…だろ……?」


ユーシスの言葉に、誰一人として答えない。


その無言の沈黙こそが肯定だった。


「俺…伝言を頼まれた…」


ユーシスは私を見つめる。



「…答えは…出たか…?」

「!!!」


答え………


あの時、ユラさんが私に尋ねた質問を思い出す。












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