-astral-星に捧ぐ少女


「じゃあゆっくり休めよ」


ユーシスは最後にそう言って扉を閉めた。


三人は一人の方が休めるだろうと気を利かせてくれたのだ。


三人が出て行った後、部屋は水を打ったように静まり返る。


「…はぁっ………」


息苦しい………
このまま全ての感覚が遠ざかっていくようです…


嫌……嫌です………


やっと居場所を見つけたというのに……


「っ!!!」


私はガバッと起き上がる。その瞬間、クラッと目眩がした。


「…しっかりしなくては…」


寝ているのは恐い…
あのまま死んでしまうのではないか…
そう思えてなりません…


「私は平気です…まだ…大丈夫……」


耳も聞こえる、言葉も喋れる…


手の感覚もある、恐怖を感じる心もある……


まだ…………


「失ってはいません…」



自分に言い聞かせるように呟いて、ゆっくりと立ち上がる。


「っ…」


まだ目眩はするけれど、今はじっとしている方が恐い。


私は目的も無く、部屋を出た。










< 188 / 357 >

この作品をシェア

pagetop