-astral-星に捧ぐ少女
「お前の両親から依頼された」
「依頼…?」
お父さんとお母さんから…?
「契約はお前をこの塔から出してここから北東にあるラージシア大陸のベーガスに住むぺテクという人間に送り届けるまでだ」
ラージシア大陸?
ベーガス?
ペテク?
全然知らない単語ばかり…彼は一体…
「まぁ、依頼主が死んでいようが金は貰ってるからな。依頼は受けてやる」
え…?
「…い、今…何て……?」
聞き返すと彼は面倒くさそうに答える。
「お前を助けろって依頼した両親は死んでるっつってんだよ」
…死んで…る……?
「う、嘘です…嘘っ……」
私は耳を塞ぐ。
死んでる…死んでる…?
死んでるなんて…そんなっ…
「い、嫌…お父さん!!お母さん!!!」
涙が溢れては流れ、頬を伝う。
絶望だけが私の心を支配する。