-astral-星に捧ぐ少女
「俺は…もう誰にも忠誠は誓わねぇ。騎士は止めたんだよ、永久にな…」
地を這うように低い声でダンテは呟く。
「…お前の意志なんて関係ないな。俺は俺の仕事をするだけだ」
シドは軽く剣を地に突き刺す。
その瞬間―…
「地変のアストラル!!」
シドの一言で、地面が沼に変わる。
「チッ…重這のアストラル!!」
ダンテは重力を支配し、沼から抜け出す。
「相変わらず、悪趣味なアストラルだなぁ。この沼に一体どれだけの人間を沈めてきやがった」
「さぁな。数など数えていないからな」
シドが片手を上げる。その瞬間、岩の矛がダンテへ向かって襲い掛かる。
「ナメんなよ!!!」
―ドカッ!!!
ダンテは下に重力を向け、手甲掻きで岩を砕く。
「…前から教えていただろう?敵は一人と考えるな…と…」
―パチンッ
シドは指を鳴らす。
それを合図にゾロゾロと兵達が現れ、ダンテを囲う。
ダンテは兵達のアストラルに寄って身動きが取れなくなってしまった。