-astral-星に捧ぐ少女
「……………………」
「しっかりしやがれ!!ほうけてる場合じゃねぇ!!フィリア!!」
ダンテの声……
なんだか遠くに聞こえます…
地についているはずの足もフワフワしている。
「…っ………」
―トサッ
傾いた私の体を、ダンテが咄嗟に抱き留める。
「チッ…これ以上コイツに近づくんじゃねぇ…」
「ダン…テ……」
朦朧とする意識の中、ダンテの顔を見上げる。
また…迷惑をかけて……
私は…足手まといですね…
「残念だが、俺達はその女が必要なんだ。ついでにお前も連れ帰る」
「ハッ…悪い冗談だな!!御免被りたいな」
―ギュッ
私を抱き留める腕に力が入る。
「…勘違いするなよ?俺は取引をしに来たわけではない。命令だ」
「チッ…今は従うしかねぇか…」
私達は…どうなってしまうのでしょうか…
そんな不安を抱えつつも、体の感覚が遠ざかっていく。
無理に力を使おうとしたせいですね……
あの…体から感覚という全てが消えていく恐怖…
真っ暗になっていく視界…最後に見たのは、シドの不気味な笑みだった。