-astral-星に捧ぐ少女


「王への反逆は万死に値する。その剣をしまえ、ハイベルト」


俺達を拾ったのは…
俺に剣を教えたのはお前だろうが……


「守る為に…」

「なんだ?」


感情の篭らない瞳を向けるシド隊長を俺は睨みつける。


「誰かを守る為に剣をとれと言ったのはてめぇだろう!!!」


なのに…………
守りたかったアイツを…失った。


せめて……
あいつの首を落とさなきゃ気が済まねぇ!!!


「…今死ぬ事がお前の望みか?死んでも首は取れんぞ、ハイベルト」

「…お前に何が分かる…」



奪った人間に奪われた側の痛みが分かるはずねぇ!!!


「死ね!!!」

「…地変のアストラル」


その瞬間、床が沼のようになり、体が沈んでいく。


「…残念だ」


シドは背を向ける。


「ラドナァァァ!!!!!」


怒り狂ったように叫び、俺の体は沼の中へと沈んでいった。










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