-astral-星に捧ぐ少女
『…我が力…欲するか?』
不意にあの人の声が聞こえた。私は俯いたままその声に耳を傾ける。
…私は…どうしたらいいですか…?
「おい、黙り込んでんじゃねぇよ。早くここから出るぞ」
『…白き翼をはためかせ、自由の空へ…』
今の私は…望みなんてありません。
自由にだってならなくていい…
『汝は…それでいいのか?』
私は…もう…
失ってしまった……
二人が生きているなら、塔の中で一生を終えたっていい…そう思っていたのに…
『…汝は…何を望む?』
今は…今はどうか……
「…誰もいない所へ…。ここじゃないどこかへ…」
一人きりでいい……
どこか…遠くへ行きたい…