-astral-星に捧ぐ少女
「俺は剣を捨てた。あっても、お前に捧げる剣なんてねぇんだよ!!!」
「…私に忠誠を誓えば、お前の妹が還ってくるとしてもか?」
「なっ……」
何…だと………?
アイツが…還ってくる?
「お前が私に誓いを立てるなら還してやろう」
「アイツは死んだ。死んだ人間が還ってくるはずがねぇ」
理に反し、生き返る事なんて出来るはずがねぇ…
「…ロストアストラル。私は今、ロストアストラルを持つ人間を集めている。その中に、反魂のアストラルを持つ娘がいた」
反魂…つまり生き返らせる力か……?
「信じるかはお前に任せるが、お前が私につくのなら、その娘の力をお前に貸してやろう」
「……………………」
テレサが…生き返るのか…?
あの笑顔を取り戻せるのか?
「誓え、ハイベルト」
「……本当に……」
あの笑顔、声………
唯一の家族を…………
「取り戻せるのか…?」
俺の問いにラドナ国王は頷き、笑う。
「もちろんだ」
「……………………」
取り戻したい……
失ったアイツを……
俺は短剣を出し、ラドナ国王へと両手で差し出す。
「…ダンテ・ハイベルト、俺の剣を…あなたに捧げる」
その剣にラドナ国王は満足そうに頷く。
「…シド、ハイベルトを牢から出せ」
踵を返し、ラドナ国王は笑みを浮かべ歩き出したのだった。