-astral-星に捧ぐ少女
「改めて、私はテレサ・ハイベルトです。テレサとお呼び下さい」
テレサはにっこりとまるで花咲くように笑顔を浮かべる。
綺麗な人です………
「ね、あなたは何とおっしゃるのですか?」
テレサに見とれていると、今度はテレサが名前を尋ねてきた。
「私はフィリア・ガーラント、好きなように呼んで下さい」
「では、フィリア…と」
そう言って微笑むテレサに、私もぎこちなく笑みを返した。
「テレサ、私の話を聞いてもらえますか?」
「もちろんです」
状況を整理する為、私はダンテと出会った時の事や今置かれている状況を簡単に説明した。
「では、お兄様とあなたはアデルシア帝国に捕まってしまったのですね」
「ダンテとはアクアゲートの宿を最後に離れ離れになってしまいました…」
でも、相手の狙いは私とダンテでした。
きっとダンテもこの城のどこかにいるはず…
「…あなたががここへ連れて来られたのは、あなたがロストアストラルを持っているから…でしょうか?」
「ロスト…アストラル…?」
聞き慣れない言葉に、私が聞き返すと、テレサは頷いた。
「私も、ここへ幽閉されてから知ったのですが…」
そう言ってテレサは自分に起こった出来事を話し出した。