-astral-星に捧ぐ少女
「この力は、他のアストラルと違う命という代償を伴うそうです。それ故に失われた五星、ロストアストラル…と」
「ロストアストラル……」
他のアストラルと違う私達のアストラル…
強大な力だからこそ、払う代償は大きい…
「メティアの命と引き替えに行われた審判が終わると、私達の魂が輪廻の果て、転生を何度も繰り返して審判の為、また生を受けるのだそうです」
「…それは……私達は審判の為だけに生を受け、死ぬ……という事ですか…?」
命を終えても、また次の審判の為に生まれ、また命を終えて……
「私達は…何の為にこの世を生きているのでしょうか?何の…為に……」
私達は…この残酷な世界を…どう生きればいいのですか…?
「…私も…何度も考えました……」
「テレサ…」
突然声のトーンを落としたテレサを見つめると、困ったように笑みを浮かべた。
「この5年間、この城に幽閉されて、ラドナ国王から真実を聞いた時から…何度も考えました……」
テレサは俯いて、笑みを消した。
「私は何故生まれ、どうして今を生きているのか…。ただ死を待つだけの人生を…私はどう生きていけばいいのか……」
テレサも同じ…なのですね……
力の為に幽閉され、大切な人との時間を奪われて…
目を逸らしたくなるような真実、逃れようのない残酷な運命……
「…すみません、テレサ。不安な気持ちはあなたも私と同じなのに…」
自分の事ばかりでした…
「いいえ!私はフィリアやシエルナがいてくれて良かったと思っています」
「シエ…ルナ……?」
私が首を傾げると、テレサはパッと笑顔を浮かべる。