-astral-星に捧ぐ少女
「君が白銀のアストラルの!?会いたかった!!」
そう言ってシエルナは私に抱き着いてきた。
「わっ…」
シエルナを受け止めきれず、バランスを崩して尻餅をついてしまった。
「ごめん、つい嬉しくて!
僕はシエルナ・コム。君は?」
シエルナは女の子でありながら、少し少年のような物言いや仕草をする。
「私は…フィリア・ガーラントです」
「フィリアか!!
よろしくな、フィリア!!」
幽閉され、力を強制されているとは思えないくらいに明るい笑顔だった。
どうして悲観しないのでしょう……
絶望しかないはずなのに…
何故、テレサもシエルナも笑っていられるのでしょうか…
「フィリア?どうかしました?」
「気分でも悪いか?」
二人が心配そうに私の顔をのぞき込む。
「いえ…大丈夫です」
私は無理矢理笑みを作った。