-astral-星に捧ぐ少女


「ユラって人、大切な人だったんだ?」


思わず俯いてしまった私の顔をシエルナがのぞき込んだ。


…大切な人………
そうです…
たとえ短い間だったとしても、彼女は私をずっと…


「私を見守ってくれていた人です。本当に大切な…」


―ポタンッ


涙がポタンッと床に落ちた。二人が慌てて私の涙を拭う。


「悲しかったですね?
沢山泣いていいのです、そうしたら笑いましょう?」


テレサは私に笑顔を、


「僕達が傍にいるからね。大丈夫、寂しくないよ」


シエルナは私に温かい抱擁をくれた。



「…はい…………」


温かい…温かいです……






二人の優しさに触れながら、私は笑みを浮かべたのだった。








< 223 / 357 >

この作品をシェア

pagetop