-astral-星に捧ぐ少女
「我が王への侮辱は…万死に価する」
シドが剣を構えた。
「我が王?狂った王に仕えるのが望みかよ、隊長さんよ」
ダンテは不敵に笑い、剣を構える。
「お兄様っ…」
「テレサ、お前は下がってろ」
「いえ…。もうお兄様の傍は離れません。私はここから二人を見守ります」
テレサは迷いなくダンテを見据えた。
ダンテは小さく笑うと、テレサの頭をぽんぽんと撫でた。
「好きにしろ」
ダンテの優しい顔…
この人は、こんなふうに笑うのですね…
「…くくっ…ダンテ、お前に守りきれるのか?…地変のアストラル」
―グワンッ
地面が歪み、ダンテの足元が泥沼へと変わる。
「重這のアストラル!!」
―フワッ
ダンテの体が浮き、沼から逃げ出す。
「ダンテ!!」
「手は出すんじゃねぇ!!俺の手で…終わらせる…」
助けに行こうとしたユーシスとカースをダンテが止めた。
「終わらせる…か。笑止!!」
―ザッ、ザッ、ザッ
地面からいくつもの岩の矛が現れ、ダンテを襲う。