-astral-星に捧ぐ少女


「我が王への侮辱は…万死に価する」


シドが剣を構えた。


「我が王?狂った王に仕えるのが望みかよ、隊長さんよ」


ダンテは不敵に笑い、剣を構える。


「お兄様っ…」

「テレサ、お前は下がってろ」

「いえ…。もうお兄様の傍は離れません。私はここから二人を見守ります」


テレサは迷いなくダンテを見据えた。


ダンテは小さく笑うと、テレサの頭をぽんぽんと撫でた。


「好きにしろ」


ダンテの優しい顔…
この人は、こんなふうに笑うのですね…


「…くくっ…ダンテ、お前に守りきれるのか?…地変のアストラル」


―グワンッ


地面が歪み、ダンテの足元が泥沼へと変わる。


「重這のアストラル!!」


―フワッ


ダンテの体が浮き、沼から逃げ出す。


「ダンテ!!」

「手は出すんじゃねぇ!!俺の手で…終わらせる…」


助けに行こうとしたユーシスとカースをダンテが止めた。


「終わらせる…か。笑止!!」


―ザッ、ザッ、ザッ


地面からいくつもの岩の矛が現れ、ダンテを襲う。










< 238 / 357 >

この作品をシェア

pagetop