-astral-星に捧ぐ少女


「チッ…」


―ガキンッ、ガキンッ



ダンテはそれを咄嗟に剣で受け止める。


「引きずりこめ」


―ビュンッ


泥沼から大量の触手のようなものが飛び出る。


それはいっせいにダンテを標的にして追い詰める。


「チッ…うっとうしい!!」

触手を避けようとしたダンテの後ろには、テレサが立っている。


「しまっ…」


それに気づいたダンテはそれを避けきれず、触手に沼へと引きずりこまれた。


「お兄様っ!!!」

「嘘…だろ…。今からでも遅くない!!俺が行く!!


今にも走り出しそうなユーシスの服の裾を引っ張る。


「フィリア?」

「…大丈夫です…」


私はテレサへと視線を向ける。


テレサは、信じています。ダンテは生きていると…


だからこそ、世音のアストラルが発動しているのですから…









< 239 / 357 >

この作品をシェア

pagetop