-astral-星に捧ぐ少女
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―大広間
「…これで終わりだ」
剣を振り下ろせば、肉体も塵と化するだろう。
遺体すら残らないくらいに…
「…ダンテ、早く殺せ。迷えば殺せなくなるぞ」
「っ…馬鹿野郎…。今だってアンタなら隙をつけたはずだ」
「…さてな…」
適当にごまかすシドに、苛立つ。
「なんで…アンタは…」
ラドナ国王になんか従ってんだ…。
言葉に出来ない想いが溢れる。
今更…今更どうしろと…
もう後戻りは出来ねぇんだ…
「…俺にはもう…この罪の中でしか生きていけないんだよ。だから、お前がそれを責に思う必要はない」
「なら何で足掻かねぇんだ!!」
あんな狂った王なんてさっさと見捨てちまえばいい。
「…狂っても…俺の主だ。騎士は主の剣、それは俺の信念だからな」
「…馬鹿だろ…隊長…」
俺が隊長と呼ぶと、シドは小さく笑った。
「…すまないな…ダンテ。だが…本当に強くなった。お前は…俺の最高の教え子だ」
「っ…くそっ!!!」
視界がぼやけた。
涙なんか…流してやるもんかよ…
そんな…情けねぇ姿、見せられねぇ。
俺は隊長を見据え、剣を持つ手に力を込めた。