-astral-星に捧ぐ少女
「お別れだ…ダンテ。…ラドナ国王陛下、さらば」
「だあああああっ!!!」
―バアアアアアンッ!!!
俺は剣を振り下ろした。
重力が爆風を起こし、建物ごと吹き飛ばす。
「………隊長、世話になったな…」
地面に減り込む剣を見つめながら、尊敬していた師が死んだのだと実感する。
―ゴゴゴゴッ
「建物が崩れる前に行かねぇと…な…」
地面から剣を抜こうとして、それを止めた。
「隊長…この剣は、アンタにやるよ」
せめてもの手向けだ…
「そのかわり、アンタの剣、貰ってくからな」
アンタが…国の為、王の為…
その信念を通したって証を、俺が覚えててやる。
「…ほう、シドも死んだか。アレも面白い働きをしてくれたものだな」
楽しげに笑うラドナ国王を睨みつけた。
コイツ…
隊長の死さえも楽しみの一つでしかねぇのか…